一人経理とは?働き方の特徴やメリット・デメリットを徹底解説

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中小企業庁がまとめた中小企業白書によると、2020年の生産年齢人口(15歳~64歳)の割合は、1970年以降で初めて60%を下回りました。[注1]
生産年齢人口の減少が続き、中小企業を中心として慢性的な人手不足が生じています。
企業のお金の管理や帳票類の作成などを行う経理部門も例外ではありません。
経理業務全般に加えて、人事や労務、法務など、他の分野の仕事も経理職が担当する「一人経理」の状態に陥っている企業も存在します。
この記事では、一人経理の大変さや業務内容、一人経理のままにしておくメリット・デメリットを解説します。
一人経理とは?業務内容や大変さを解説
一人経理とは、経理業務を中心としたバックオフィス業務を経理職が一人で担当することです。
経理職は現金・預金の管理や帳票類の作成など毎日行う業務から、給与計算や決算手続きなど月次・年次で行う業務まで、さまざまな仕事を抱えています。
こうした仕事に加えて、さらに人事や労務、法務など、他の分野の仕事も抱えこんだ状態が一人経理です。
ここでは、一人経理の具体的な業務内容や大変さ、解消方法をみていきます。
経理部門が担当する業務内容
経理部門の業務内容は「毎日行うもの」「月次で行うもの」「年次で行うもの」の3つに分けることができます。
以下の表に記載された業務を全て一人で行うのが一人経理です。
| 種類 | 業務 | 内容 |
|---|---|---|
| 毎日行うもの | 現金・預金の出納管理 | 入出金のあった現金・預金を現金出納帳に記録し、実際の残高と帳簿上の残高を照合する |
| 帳票類の作成 | 帳票や伝票などを管理し、取引内容を仕訳帳や総勘定元帳に転記する | |
| 社員の経費精算 | 社員が提出した領収書を確認し、立て替えた経費を精算する | |
| 月次で行うもの | 買掛金や売掛金の管理 | 特定の期日に支払う買掛金や振り込まれる売掛金のやりとりを記録する |
| 領収書や請求書の発行 | 顧客との取引内容を確認し、領収書や請求書を発行する | |
| 社員の給与計算・支払い | 社員の労働時間の集計結果を確認し、毎月の給与計算を行う | |
| 源泉徴収税や社会保険料の計算・納付 | 所得税などの源泉徴収税や社会保険料の金額を計算し、国に納付する | |
| 年次で行うもの | 社員の賞与計算・支払い | 社員の人事考課を確認し、毎年の賞与計算を行う |
| 年末調整 | 社員に扶養控除等申告書を提出してもらい、年間の所得税を確定させる | |
| 決算手続き | 帳票類を元に決算整理を行い、損益計算書や賃借対照表などの財務諸表を作成する | |
| 納税手続き | 法人税や消費税などの税金の金額を計算し、国や自治体に納付する |
一人経理の大変さ
一人経理はこうした経理業務全般を一人で担当するため、長時間労働が慢性化し、心身の調子を崩してしまう方もいます。 とくに決算シーズンは経理部門の繁忙期に当たります。以下は決算月が12月の企業の年間スケジュールです。
| 月 | 業務 |
|---|---|
| 12月 | ●年末調整 |
| 1月 | ●雇用保険料の支払い ●固定資産税の申告 ●給与所得の源泉徴収票の提出 ●在庫などの実地棚卸 ●決算整理 ●財務諸表の作成 ●決算報告書の作成 |
| 2月 | ●消費税の申告 ●地方税の申告 ●法人税の申告 ●決算短信の提出(※上場企業の場合) |
このように一人経理を採用している場合、多くの業務が短期間に集中します。
また、企業によっては経理業務全般だけでなく、労務や法務など、他の分野の仕事を経理職に任せるケースもあります。
例えば、社員の勤怠管理を経理職が兼任し、労働時間の集計から給与計算までを一人でこなすケースです。
業務量が多く、経理業務について相談できる人もいないため、仕事のミスや手戻りが発生しやすくなっています。
一人経理の解消方法
一人経理の解消方法として、例えば次のような手段があります。
- 経理職の追加採用を行う
- 経理業務のアウトソーシングを行う
- 経理業務について所轄の税務署や国税局にアドバイスを求める
- 人材派遣サービスを利用し、経理業務ができる人材を補充する
経理職の追加採用を行っても人材が集まらない場合は、アウトソーシングの利用や、派遣での人材募集がおすすめです。 また、経理業務についてわからないことがある場合、所轄の税務署や国税局に相談し、アドバイスをもらうこともできます。
一人経理のメリット
一方、一人経理にもメリットがないわけではありません。
例えば、日々の仕訳から決算手続きまで、一人で幅広い範囲の業務を担当できるため、経理業務の知識やノウハウを深められるというメリットがあります。
また、経理担当が自分の裁量で仕事ができるのも一人経理の利点です。
ここでは、一人経理のメリットを2つ紹介します。
経理としての知識や経験が深まる
一人経理の会社では、経理が全ての経理業務を担当します。
毎日行う現金・預金の出納管理や帳票や伝票の管理から、一年ごとや四半期ごとに行う決算手続きまで、幅広い経理業務を経験することが可能です。
そのため、短期間で経理担当としての知識やノウハウを深められます。
また、経理担当にとってのメリットとして、将来的に転職やキャリアアップを目指すときに一人経理の経験をアピールできる点が挙げられます。
自分の裁量で仕事ができる
一人経理の場合、経理業務を行うのは担当者一人のみです。
そのため、経理担当が自分の裁量で仕事を進められるのも一人経理のメリットです。
繁忙期は業務量が増加するものの、それ以外の時期は経理担当が自分でスケジュールを立てて仕事をすることができます。
一人経理のデメリット
一人経理のデメリットは、業務範囲が広く、一人の社員に大きな負荷がかかってしまう点にあります。
他に相談できる経理担当がいないため、ミスや手戻りが増える可能性も高くなります。
業務の属人化も進むため、もし経理担当が休職・退職した場合、経理業務や会計業務がストップしてしまうリスクもあります。
一人経理のままにしておくデメリットを3つ紹介します。
業務範囲が広い
一人経理は経理業務全般に加えて、人事や労務など、他の分野の仕事も割り振られる場合があります。
業務範囲が広いため、社員一人では仕事が片付かず、残業や長時間労働によってワークライフバランスが悪化するリスクがあります。
また、広い範囲の仕事を社員一人に任せ、業務の属人化を引き起こすのも一人経理のデメリットです。
もし経理担当が休職・退職した場合、業務の引き継ぎをすることもできず、会社の経理業務が停滞してしまう可能性があります。
ミスが増える可能性が高い
また、社員一人で経理業務をこなす一人経理では、複数の社員でダブルチェックを実施し、ヒューマンエラーを防止することができません。
帳票や伝票の金額に入力ミス・転記ミスが発生し、手戻りが発生するリスクがあります。
相談できる相手がいない
仕事でわからないことがあっても、一人経理の場合は他の担当者に相談することができません。
相談できる相手がいないことで、経理業務の効率が悪化するだけでなく、担当者にとってストレスの原因になる可能性があります。
もし経理業務でわからないことがあれば、所轄の税務署や国税局に相談しましょう。
【まとめ】一人経理のリスクを知り、人材派遣などで対応しよう
経理業務全般を一人で担当する一人経理には「経理としての知識や経験が深まる」「自分の裁量で仕事ができる」といったメリットがあります。 しかし、業務範囲が広いため、社員のワークライフバランスの悪化や、仕事のミス・手戻りの増加につながるリスクもあります。
一人経理を解消する方法として、おすすめなのが人材派遣サービスの利用です。
経理職の追加採用がうまくいかない場合でも、人材派遣サービスなら自社にマッチした人材を迅速に確保することが可能です。
[注1] 中小企業庁|中小企業白書2022
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2022/PDF/chusho/03Hakusyo_part1_chap1_web.pdf




