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経理の管理職に求められる役割や年収目安・必要なスキル

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経理の管理職に求められる役割や年収目安・必要なスキル

 

経理の管理職には経理業務を管理・監督し、メンバーを教育する役割が求められます。企業によっては、プレイングマネージャーとして経理業務をこなす必要があります。管理職として働くには、マネジメント能力やコミュニケーション能力などのスキルが必要です。

 

経理部門の管理職は「経理課長」とも呼ばれ、経理業務を管理・監督する役割があります。
企業によっては、プレイングマネージャーとして経理業務をメンバーと分担する経理部長もいるため、経理の管理職に求められる役割やスキルはさまざまです。

 

経理業務をスムーズに管理・監督するには、マネジメントスキルやコミュニケーションスキルだけでなく、経理業務の深い知識やノウハウが求められます。
この記事では、厚生労働省の職業情報提供サイトを手がかりに、経理の管理職に求められる役割やスキル、年収の目安を解説します。

 

経理の管理職に求められる4つの役割

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、経理の管理職(経理課長)とは、「管理職として、経理課において、組織全体の経理事務の統括、課員の業務分担の設定、業務の進捗管理、業務遂行に係る承認や指導・助言、人事評価や勤務管理等の人事労務管理等を行う」役職のことを指します。[注1]

 

経理の管理職に求められる役割は、大きく分けて「会計検査や税務調査への対応」「組織のマネジメント」「メンバーの教育」「プレイングマネージャーとしての経理業務」の4点です。

タスク内容 実施率
会計検査や税務調査に対応する 87.30%
所属組織内の経理事務を統括する 80.00%
課の業務の進捗管理を行う 76.40%
部下に対して、業務遂行に係る承認や指導・助言を行う 72.70%
部下の人事評価や勤務勤怠管理等の人事労務管理を行う 61.80%
社内の会計処理等について公認会計士や監査法人に説明し、意見を求める 61.80%
月次決算等の役員会に提出する資料を作成する 60.00%
課の経理業務の一部を課員と分担して行う 58.20%
銀行と融資にかかる折衝を行う 41.80%
出入金の管理等について他部署からのヒアリングを行う 36.40%

 

会計検査や税務調査への対応

会計検査を実施する場合や、自社が税務調査の対象となった場合、経理課長自身が対応する必要があります。
また、企業会計について公認会計士や監査法人にアドバイスを求める場合も、経理課長が率先して説明を行う企業がほとんどです。

 

組織のマネジメント

経理業務の統括や進捗管理、メンバーの人事労務管理など、組織のマネジメントも経理課長の大切な仕事です。
また、社外の取扱金融機関から融資を受ける場合、経理課長は折衝を行う役目も担っています。

 

メンバーの教育

経理部門のメンバーの教育も経理課長の役割の1つです。
上記で紹介したタスク内容と実施率を見てみると「部下に対して、業務遂行に係る承認や指導・助言を行う」は72.7%となっており、欠かせない業務であることが分かります。

 

プレイングマネージャーとしての経理業務

企業によっては、組織のマネジメントやメンバーの教育だけでなく、経理課長自身もプレイングマネージャーとして経理業務の一部を分担して行う場合があります。
また、毎月取締役会を開催し、月次決算を行っている場合は、提出資料の作成を経理課長が担当するケースがあります。

 

経理管理職の年収目安

経理部門の管理職は、メンバーを管理・監督するという立場上、一般の経理職よりも高い賃金を得ています。
以下は平成27年国勢調査や令和3年賃金構造基本統計調査を出典とした、全国および東京都・大阪府で働く「会社の管理職員」を対象とした平均年収のデータです。[注1]

  就業者数 年齢 賃金(年収) 労働時間(月)
全国 162,200人 50.7歳 840.5万円 167時間
東京都 14,660人 50.1歳 968.4万円 164時間
大阪府 8,540人 50.7歳 846.8万円 169時間

 

経理課長を含む全国の管理職は、平均すると840.5万円の年収を得ています。
また、東京都で働く管理職は平均年収968.4万円、大阪府で働く管理職は平均年収846.8万円です。

 

厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、令和3年度の一般労働者の平均年収は男女計368.8万円でした。[注2]

 

令和3年賃金構造基本統計調査と比較すると、経理課長をはじめとした管理職の平均年収(840.5万円)は、一般労働者の平均年収を大きく上回っていることがわかります。

 

就業に必要なスキルとは

就業に必要なスキルとは

 

それでは、経理部門の管理職として就業するため、どのようなスキルが求められるのでしょうか。
実際に経理課長として働く人のアンケートによると、実は入職前の訓練期間や実務経験はそれほど重視されているわけではありません。

 

厚生労働省の職業情報提供サイトでは、62.1%の人が入職前の実務経験を「特に必要ない」と考えています。

 

入職前の訓練期間

特に必要ない 41.40%
1ヶ月以下 10.30%
1ヶ月超~6ヶ月以下 13.80%
6ヶ月超~1年以下 3.40%
1年超~2年以下 3.40%
2年超~3年以下 6.90%
3年超~5年以下 6.90%
5年超~10年以下 0.00%
10年超 3.40%
わからない 10.30%

 

入職前の実務経験

特に必要ない 62.10%
1ヶ月以下 3.40%
1ヶ月超~6ヶ月以下 6.90%
6ヶ月超~1年以下 0.00%
1年超~2年以下 3.40%
2年超~3年以下 6.90%
3年超~5年以下 3.40%
5年超~10年以下 0.00%
10年超 6.90%
わからない 6.90%

 

ただし、経理部門への管理職に昇進する際は、マネジメント研修やリーダーシップ研修など、管理職向けの研修を受ける場合がほとんどです。
また、経理部門を管理・監督する以上は経理業務の知識も求められます。

 

訓練期間や実務経験が乏しくても、「マネジメント能力」「コミュニケーション能力」「経理業務の知識」のスキルを身につければ、経理部門の管理職として働くことが可能です。

 

経理課長への就業に必要な3つのスキルを解説します。

 

マネジメント能力

マネジメント能力とは、経理部門のメンバーを管理し、一人ひとりのパフォーマンスを引き出す能力のことです。
経理部門の管理職は、経理業務の進捗管理やメンバーの人事労務管理など、部下に対するリーダーシップを発揮することが求められます。

 

また、企業の経営層とコミュニケーションをとる管理職として、経理部門のことだけでなく、経営判断やビジネスについての知見も必要です。

 

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力とは、経理部門のメンバーと円滑なコミュニケーションをとることで、心身の健康やモチベーションを維持する能力を指します。
経理部門の管理職になると、業務遂行の指示・助言を行うなど、部下とコミュニケーションをとる機会が増加します。

 

部下の信頼を得られるよう、コミュニケーション能力を磨き上げることが大切です。

 

経理業務の知識

経理部門の管理職にも、経理業務に関する知識が求められます。
例えば、厚生労働省の職業情報提供サイトでは「経理課長に必要な知識として、会社法、金融商品取引法などの会計処理に関する法令内容及び法人税法、消費税などの税務処理に関する法令内容と組織内の処理方法等の経理事務に関する全般的な知識」を挙げています。[注1]

 

とくにプレイングマネージャーとして経理業務の一部を分担して行う場合、経理業務に関する深い知識が求められます。

 

経理部門の管理職として働くために求められる役割やスキルを知ろう

経理部門の管理職には、経理業務を管理・監督するという役割があります。
組織のマネジメントやメンバーの教育をスムーズに行うため、「マネジメント能力」「コミュニケーション能力」「経理業務の知識」などのスキルが必要です。

 

年代や性別によって変わりますが、経理課長の平均年収は840.5万円です。
経理課長としての訓練期間や実務経験が乏しくても、マネジメント能力やコミュニケーション能力などのスキルを身につけることで、経理部門の管理職として働くことができます。

 

 

[注1] 厚生労働省|経理課長 職業詳細
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/538

 

[注2]厚生労働省|令和3年賃金構造基本統計調査
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/dl/01.pdf

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