上場準備中の企業で経理が行う仕事とは?やりがいや大変さを解説

上場準備中の企業で経理は、上場した後の財務状況の報告がスムーズにできるような体制を整えておかなくてはいけません。監査法人への対応なども必要になります。上場準備中の企業は激務ですが、自身の市場価値を高めるには最適な環境でもあります。
企業が上場をする際にはいろんな準備が必要になります。その中でも特に仕事量が多くなるのが経理です。経理の仕事は非常に多く、各方面に対して対応をしなくてはいけません。仕事に不備があると上場中止ということにもなりかねないのです。
本記事では上場準備中の企業において、経理が行うべき仕事について解説いたします。また、上場準備中の企業での経理のやりがいや大変さについても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
上場準備中の企業で経理が行う仕事

上場準備中の企業で経理が行う仕事にはいろんな種類があります。細々とした業務を含めたら膨大な仕事量となるのですが、その中でも特に代表的なものについて紹介いたします。
財務諸表の作成と開示業務
まずは財務諸表についてです。財務諸表とは簡単に説明すると、会社の財務情報を外部に知らせるための書類です。上場準備における経理の役割とは、会社の財務状況を正しく詳細に提供することにあります。そのため、財務諸表の準備は上場準備中の企業の経理にとって、根幹となる業務なのです。
そもそもですが、上場すると四半期の報告期限ごとに会社の財務状況を外部監査人に報告しなければいけません。上場前は必要なかったのですが、上場するとこういった対応をしなくてはいけなくなります。
もちろん、いざ上場するまでは厳しい期限で財務諸表を作成する必要もありません。しかし、その状態で上場して報告期限に対応して財務状況の報告ができるでしょうか。正確であることはもちろんですが、タイムリーに報告する必要もあるのです。こういった対応が疎かになってしまうと、株価の下落にも繋がりかねません。
上場したときにスムーズに対応できるような体制を整えておく必要があるのです。これこそが経理の役割となります。新しい報告システムを導入したり、そもそも今まで使用しているプロセスやシステムが上場企業の基準に対応しているかを確認したりしなくてはいけません。
上場したときに対応できないといったことがないように、体制を整えておく必要があります。
監査法人への対応
続いて監査法人への対応です。先ほど会社の財務状況を報告する必要があると説明しましたが、準備はもちろん報告そのものも経理が対応しなくてはいけません。どう対応すればいいかわからない方も多いでしょうから、上場準備は始めた段階で公認会計士に相談しておくことをおすすめします。
監査が成功しなければそもそも上場ができません。監査法人へ適切な対応を取ることは、上場企業において必要不可欠な業務なのです。
上場準備中の企業は激務になりやすい
上場準備中の企業は激務になります。なぜなら、上場とは簡単にできるものではなく、クリアしなければいけない課題が数多くあるからです。その課題を達成しなければ、そもそも上場ができません。達成するためには、企業全体で努力をしなければいけないのです。
それは経理部に限った話ではありません。先ほど説明した業務については、経理部が対応しなければいけないのですが、上場は経理部だけの力ではできません。クリアしなければいけない課題に業績があります。
例えば、マザーズで上場を目指すとしましょう。その場合は、売上高が継続的に伸びているか、上場前に黒字になっているかなどが必須条件となります。それを達成するためには、企業全体としてどうやって売上を増やすかを考えていかなくてはいけません。
他にも証券会社からチェックリストと呼ばれる課題のリストが送られてくるので、それを解決していかなくてはいけません。課題の内容としては、財務、経理、労務、法務、内部統制など多岐にわたっており、それぞれの部署がそれぞれのタスクを乗り越えるためにいろんな業務に取り組んでいく必要があります。
このように経理が忙しいのはもちろんなのですが、上場を成功させるためには会社全体としてもかなり激務になるのです。そのような状態なので、上場後の対応について疎かになってしまうケースがあるのです。上場することはもちろん大切ですが、上場した後に不備があってはいけません。
激務の中でなので大変ではありますが、経理としては上場後もスムーズに企業が経営を続けられるように上場準備中に体制を整えておくことが大切なのです。
上場準備中の企業での経理のやりがい
上場準備中の企業は激務なので、あまり働きたくないと考える方もいるかもしれません。しかし、経理としては決して悪くはない環境となっています。むしろ、上場目前の企業で働けるというケースはそれほど多くはないので、貴重な経験を積めます。
上場準備中の企業ならではのやりがいもあります。それがストックオプションです。ストックオプションとは、会社が従業員や取締役に対して、権利行使価格で株式を取得させることができる権利のことです。ストックオプションを得た後に、企業が上場を果たして業績が上がれば株価が上昇するので利益が生まれます。もちろん、上場しなければストックオプションは無価値になってしまいます。
せっかくストックオプションを手に入れたのであれば、何としても上場させたいと考えてる方が多いでしょう。それが上場準備中の企業におけるやりがいに繋がっていくのです。
また、自分の市場価値を高められるという点もやりがいに繋がります。上場準備中はいろんなタスクに取り組むことになります。状況によっては経理業務とは少し離れたタスクに取り組むことにもなるでしょう。いろんな業務を経験しているということは、自分の市場価値を高めることに繋がります。
実際にあったケースとして、上場準備中の企業だからこそできる経験をするために、年収を下げてでも転職をした方がいます。もちろん、仕事内容こそ激務が続いてしまうので、体力面や精神面でつらいタイミングがあるかもしれません。しかし、それを差し置いても数多くのメリットがあるのが上場準備中の企業なのです。
上場準備中の企業で上場に携わったという経験は、その後の転職活動においても大きく役立ちます。特にこれから上場準備に入ろうと考えている企業にとっては、貴重な人材として扱ってもらえるでしょう。就職先は見つけやすいことが多いです。
長い目で見て年収をアップさせたいと考えている方や、より精力的に働いていきたいと考えている方にとっては、上場準備中の企業という環境は非常に魅力的だと思われます。スキルアップを考えている方は、転職を検討してみてもいいかもしれません。
【まとめ】
上場準備というのは非常に激務です。経理も対応しなければならない業務が数多くあるのですが、会社全体としても非常に忙しくなってしまいます。他の人の手を借りることも難しくなるでしょう。そういった環境だからこそ、得られるものは多くあるのです。
しかし、実際に上場しなくてはいけないので、そのための人手を確保することは欠かせません。そこでおすすめなのがプロフィットの人材派遣サービスです。実際に上場準備中の企業で働いたことのある人材などを派遣いたしますので、上場準備で悩んでいるという方は、ぜひお気軽にご相談ください。