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全経簿記ってなに?試験のレベルや資格取得のメリットを紹介

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全経簿記ってなに?試験のレベルや資格取得のメリットを紹介

税理士を目指す方にとって、その受験資格を得るために、別の資格を受験することがあります。その代表が日商簿記1級ですが、これと同等で税理士試験の受験資格を与えられるのが、「全経簿記(簿記能力検定試験)」です。受験者数はそれほど多くないものの、日商簿記と並ぶレベルの知識が得られる全経簿記について、取得するメリットや勉強法などをまとめました。

経理事務を目指す専門学校生向けの簿記検定

専門学生が全経簿記を勉強中
全経簿記とは、公益社団法人の全国経理教育協会(ZENKEI)が主催する簿記検定で、正式名称を「簿記能力検定試験」といいます。

 

全国経理教育協会は、専門学校や高等専修学校(高専)を中心に、全国で約260校が加盟する協会。簿記以外にも「計算実務能力検定試験」や「消費税法能力検定」、「社会人常識マナー検定」など、さまざまな検定試験を実施しています。

 

全経簿記には、上級・1級・2級・3級・基礎簿記会計という5つのランクがあります。上級と1級は「商業簿記・会計学」「原価計算・工業簿記」をともに合格したら取得。また2級は、商業簿記または工業簿記のいずれか合格で取得となります。

 

合格基準は、すべてのランクで100点満点中70点以上。ここ数年の合格率は、上級が15%前後、1級は工業簿記が50~60%、会計が30~60%です。また、2級は30~50%、3級が50~70%、4級が60~80%くらいの合格率で推移しています。

 

全経簿記上級は日商簿記1級と同等?

簿記検定試験で最大級の受験者数を誇るのが、日商簿記です。進学や就職はもちろん、企業の経理などビジネスの実務で役立つ知見も得られることから、全経簿記と比べると、日商簿記のほうが格上と評価される傾向にあります。

 

ただし、全経簿記の上級を取得すれば税理士試験の受験資格が与えられます。これは、日商簿記の1級と同等だと認められているからでしょう。日商簿記の受験者には2級合格後に全経簿記上級を目指し、それに合格したら日商簿記1級を目指すという方が多くみられます。

 

全経簿記を取得するメリット

上級合格で税理士試験の受験資格が付与される

先述の通り、全経簿記の上級に合格すれば税理士試験の受験資格を得られるのが、大きなメリットです。

 

日商簿記の1級も、税理士試験の受験資格が与えられますが、いずれの合格率を見ると、日商簿記1級は10%前後に対し、全経簿記上級は15%前後。わずかな差ですが、全経簿記上級のほうが合格しやすい資格といえます。

 

全経簿記の試験内容と勉強のポイント

全経簿記は経理担当者や会計専門職を目指す方の資格ですが、おおまかに上級は上場企業、1級は大企業、2級は中規模株式会社や製造業、3級は小規模株式会社、基礎簿記会計は営利・非営利組織と区分されます。

 

上級は、最新の会計諸基準にもとづいて財務諸表の作成ができる知見(商業簿記・会計学)と、損益計算書と貸借対照表を作成できる知見(原価計算・工業簿記)が求められます。

標準的な学習時間と勉強のポイント

上級資格になるほど、学習時間も必要になってきます。一般的に、全経簿記1級の取得には約200時間、上級だと500時間ほどの勉強時間が必要といわれます。

 

2級以下を目指す方で時間に余裕があるのなら、過去問や市販の問題集を繰り返しこなすなど独学でも合格の道は開けるでしょう。取得までの時間が限られている方や、1級以上を目指す方の場合は、短時間で効率よく勉強することが肝。こうした方には、資格スクールに通うという方法がおすすめです。スクールの費用がかかるものの、不明点を聞くなど丁寧に教えてくれるので理解度は上がりますし、出題率の高い問題を重視して教えてくれるなど効率的に勉強ができます。

 

取得するには?全経簿記の受験申込について

受験資格

全経簿記は、公益社団法人の全国経理教育協会(ZENKEI)が主催する簿記検定です。こちらの協会の加盟校は専門学校や高等専修学校が多く、全経簿記の受験者もこうした学生が中心となります。ただし、受験資格に年齢や学歴などの制限はありませんので、大学生や社会人でも受験できます。また、時間が重なっていなければ複数の級を併願受験することも可能です。

 

応募方法

全経簿記の応募は、インターネットでの申し込みとなっています。公式サイトでマイページに登録し、申し込みを行います。受験票もマイページで発行されますので、これを印刷してから試験会場に持っていきましょう。なお、上級受験者は受験票と身分証明書(顔写真付)も必要です。

 

試験時間

各階級・教科いずれも90分です。

受験料

上級:7,500円

1級商簿・会計:2,200円

1級原価・工簿:2,200円

2級商業簿記:1,700円

2級工業簿記:1,700円

3級商業簿記:1,400円

基礎簿記会計:1,200円

※上記金額は、消費税込みの受験料です。

 

合格発表

上級以外は試験日から1週間以内に、上級は2カ月以内に発表。公式サイトのマイページで確認することも可能です。また、学校で受験している学生の場合、各校の掲示板等でも発表されます。

 

まとめ

全経簿記は、日商簿記と比べるとワンランク下の検定試験とみられがちですが、上級に合格すれば税理士資格を得られることから、日商簿記1級と同じく税理士に向けての第一歩となる検定でもあります。

 

上級受験者は専門学校生だけでなく、一般の方も多く見られます。さらに上級を目指して自信をつける意味でも、取得を検討したい資格といえるでしょう。

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