【経理へ転職】経理のお仕事内容とは?経理業務は大きく4つに分けられます

経理への転職を希望する方は少なくありません。ただ、一言で経理といっても、その仕事は実にさまざまな種類の業務が存在しています。経理という肩書きだけで、求人や転職をしてしまうと就職後に「思っていた仕事と違っていた」となりかねません。経理の仕事というのは、大きく分けて4つに分類することができます。それぞれについて、詳しくご紹介します。
会計ソフトへの入力などの「日常業務」
経理というのは積み重ねが大事な仕事です。そのため、この日常業務は基本的な仕事ながらも、非常に重要な業務といえるでしょう。日常業務としては、主に次のようなものがあげられます。
- 現預金の出納管理と入力
- 売上仕入れなどの取引入力
- 請求書の発行
- 支払業務
- 経費精算業務
- 伝票起票
- 取引先登録
- 与信業務
会計ソフトなどの入力は、経理業務の中でもルーチン作業に分類されます。単純作業ではあるものの、入力データに誤りがあると、預金と会計ソフトの金額が合わなかったりするでしょう。そのため、丁寧に確実な仕事が求められます。また、支払業務などは、会社によって一度に送金する金額がかなり高額になることもあるので、慎重に業務にあたる必要があるでしょう。
日々の出納管理や支払業務などの仕事は、一般的な正社員だけではなく非正規である派遣社員やアルバイトとしても募集するケースがあります。特に、入力量や支払い量の増える月末や月初の短期的な募集を行っている会社もあるでしょう。
月次試算表作成、給与計算などの「月次業務」
日常業務がたまっていくと、次は月次業務へとつながっていきます。月次業務としては、主に次のような仕事があるでしょう。
- 合計残高試算表の作成
- 月次決算
- 各種台帳の管理
- 給与計算および支払い
- 源泉所得税、住民税の管理および納付
- 売掛金管理
- 買掛金管理
合計残高試算表というのは、会計データに入力された貸借対照表、損益計算書の科目ごとの残高が記載されている表です。預金残高や現金残高、棚卸資産や売掛金、買掛金など、各残高がそのほかの帳票と合致しているかを確認しながら作成します。これを作成しないと、月次決算を行うことができずに、経営者への報告ができなくなってしまいます。月次業務の中でも、特に重要な部分といえるでしょう。
また、給与計算については、会社によって人事部が執り行っていることもあります。しかし、最終的な支払業務は、ほかの部署に依頼することができないので、給与計算データを人事部から受け取って、銀行に支払いデータを作成することとなるでしょう。給与は、従業員にとって大切なものです。計算を間違ったり、振り込みが遅れたりすることは、取引先への支払い同様にあってはならないことといえるでしょう。
決算書作成、棚卸などの「年次業務」
日常業務、月次業務が積み重なっていくと、いよいよ年次業務が待ち構えています。年次業務としては、主に次のようなものがあげられるでしょう。
- 年次決算書の作成
- 申告書作成業務および納税業務
- 開示資料作成
年次決算書の作成や申告書作成業務、納税業務というのは、経理にとって最も大きな仕事となるでしょう。特に申告書や納税は、決算日から2ヵ月以内(申告書は3ヵ月にできる場合もある)に完成させなければならないため、非常に忙しくなるでしょう。また、開示資料作成の比重も大きくなりがちです。非上場会社であれば、官報への公告だけで構わないのですが、上場会社であれば、有価証券報告書や招集通知なども作成しなければならないケースがあります。
さらに、同時進行で監査法人による監査が行われますので、監査対応も適時対応する必要があるでしょう。そして、株主総計に出席しなければならない場合もあります。数字に関しては、経理担当者が一番詳しいです。株主からの質問に対して、役員のフォロー役として待機するケースもあります。
年末調整などその他の業務
そのほかにも、突発的に次のような業務が発生することがあります。
- 年末調整業務
- 労働保険の申告
- 社会保険算定
- 金融機関との折衝
- 資金繰り
年末調整や労働保険の申告、社会保険算定などは、企業によっては給与計算と同様に人事部や総務部が執り行うことがあるでしょう。経理で執り行っている会社も少なくありません。また、突発的に発生する業務で特に重要なのが、金融機関との折衝や資金繰りです。多くの場合、企業は金融機関から融資を受けて、設備投資や取引先への支払いを行っていきます。
日ごろから、資金の出入りを把握したうえで、「どのタイミングで融資を実行してもらう必要があるのか」「返済はいつ行うか」などを決断する必要があるでしょう。資金がショートしてしまうと、事業運営が成り立たなくなってしまい、最悪の場合倒産に追い込まれることも。自分たちの好きなタイミングで借り入れや返済ができるよう、金融機関とのコミュニケーションを密に取っておくことも重要な業務といえるでしょう。
まとめ 主になる業務内容を把握してからの応募がおすすめ
経理と一言で言っても、さまざまな内容の仕事があります。経理という職種で募集されていたとしても、必ずしも自分がやりたいと思っている仕事ではないかもしれません。異なる仕事に配属されると、せっかく就職や転職が成功しても、仕事がつまらなくなってしまいます。業務内容をしっかり把握してから、求人へ応募することをおすすめします。