会計事務所の仕事は残業が多いと言われる理由とその対策

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会計事務所の仕事の平均年収は、その他の職業の平均年収と比較すると低いわけではありません。ですがスキルにふさわしくない、年収を上げるのが難しいといった理由から薄給だと感じる方が多いです。給料アップのためのポイントなどをチェックしましょう。
会計事務所は残業が多いと言われる理由とその原因
会計事務所の残業時間に関して公的なデータはなく、事務所によっても違いがあります。したがって、一概に「会計事務所の残業時間」を解説するのは簡単ではありませんが、一般的に会計事務所の残業時間は、月に30時間から40時間と言われています。繁忙期には100時間を超えることもあるようです。
会計事務所の繁忙期
残業が多いと言われる税理士業界ですが、年間を通して忙しいというわけではなく、繁忙期と閑散期がハッキリと分かれています。
12月から5月が繁忙期で、なかでも個人の確定申告が行われる2月と3月、法人の確定申告が行われる5月は超繁忙期とも言われ残業が多くなりがちです。確定申告の時期にも通常業務はあるので、通常業務に加えて申告書を作成しなければなりません。
繁忙期が過ぎた6月から11月は閑散期で、業務量も落ち着いていると言えるでしょう。
会計事務所の残業の内容とは
- 12月~1月:年末調整・法定調書
- 2月~3月:個人の確定申告
- 4月~5月:法人決算・法人の確定申告
上記が、会計事務所の繁忙期である12月から5月の残業の内容です。
3月は多くの企業が決算月となっており、決算処理が4月から5月にかけて集中します。外資系企業やベンチャー企業では12月決算のケースも増えてきていますが、もともとの繁忙期なので、あまり影響はないと考えられます。
残業が多い会計事務所の特徴をチェック
繁忙期の残業はどの会計事務所でも避けることはできないのですが、閑散期でも残業が多い会計事務所には共通した特徴があるのです。
- 有資格者が入力作業も行っている
- IT活用や業務の効率化に関心がない
- 短期間での離職者が多い
- 報酬とサービス内容が見合わない
- 深夜に電話しても人が出る
上記の特徴が見られる会計事務所は、残業時間が多い傾向にあります。常に求人が出ている場合は、事務所拡大のために募集を出し続けているケースもありますが、短期間での離職者が多いことが考えられます。
有資格者が入力業務なども行う会計事務所では、アシスタントがうまく活用されていません。有資格者とアシスタント職のバランスに、注目してみてください。
また、有資格者の1日の業務の流れを質問することでも、入力業務の有無がわかるかもしれません。
会計事務所は個人経営の小規模な事務所が一般的なので、経営者の方針や価値観によってブラックにもホワイトにもなる業種と言えるでしょう。
残業時間が少ない会計事務所はある?選び方のポイント
年間を通して残業が少ない会計事務所は、ないと考えるほうがよいでしょう。 しかし、繁忙期以外に残業が少ない会計事務所は存在します。残業が少ない会計事務所の特徴や、見分け方について解説します。
残業時間が少ない会計事務所の特徴
残業が少ない会計事務所は、業務量とスタッフの人数のバランスがとれていると考えられます。
- 複数の税理士や会計士が在籍している
- 有資格者が入力業務を行わない
- 効率化を図り、業務改善を行う
上記は、効率よい業務の体制が整っている会計事務所に共通している特徴と言えるでしょう。アシスタント職をバランスよく配置していれば、有資格者が入力作業や仕訳作業に時間をとられないので、自然と残業時間が少なくなります。
効率よく業務を行える会計事務所のほかに、業務量のバランスがとれている事務所も残業が少ないです。 下記が業務量のバランスの良い会計事務所に共通する特徴です。
- つきあいの長いクライアントが多い
- 事業拡大をしない方針
事業拡大をしない方針の会計事務所は、付き合いの長いクライアントが多く、経営が安定していることもメリットと言えるでしょう。
しかし、中には高齢の経営者が引退するためにクライアントを減らしているケースもあります。この場合には残業が少なくなりますが、経営者の引退と同時に事務所が閉鎖されるので、転職先を探さなければならないので注意が必要です。
残業が少ない会計事務所を見極めるポイント
複数の有資格者やアシスタント職がバランスよく在籍している会計事務所は、効率よく業務が進められるために残業が少ないケースが見られます。
そのほかの見分け方としては、6月から11月の閑散期の夜に事務所に出向き、電気が点いているかどうかを確認するという方法があります。電気が点いていれば残業している人がいる、ということになります。
チェックするのが1日だけだと、たまたまその日に何かがあり残業している人がいる、またはその日だけ残業がなく電気が消えていた、ということも有り得ます。何度か日を変えてチェックしてみることをおすすめします。
会計事務所の残業時間を減らすための取り組み事例
残業時間を減らすために、会計事務所全体または個人で取り組んだ事例を紹介します。
会計事務所全体で行わなければならない事例は、個人の意思で変えることは難しいです。しかし、個人での取り組みについては、ぜひ参考にして残業を減らしてください。
月次の時点で税務論点を整理&リストアップしておく
法人の決算や申告業務では、重要な業務に申告調整があります。決算時の検証の手間をなくすため、毎月の月次決算で論点になるものの確認を済ませ、確認した事項をリストアップしておくとよいでしょう。
交際費や寄附金などは他勘定科目に紛れ込みやすいので、仕訳番号とともに別表調整が必要なものをリストアップしておくのがおすすめです。
事業所得の控除は秋に入力しておく
確定申告では、事業所得での65万円控除が負担になります。毎月訪問する契約になっていればそれほど負担にはなりませんが、年末から年明けにかけて1年分をまとめて入力するとなると、負担が大きくなります。秋の閑散期に半年分の資料を集めて入力をしておくと、負担がかなり軽減されるでしょう。
年末から顧客の資料収集をはじめておく
繁忙期の残業では、顧客から確定申告に関する資料がなかなか送られてこないために、仕事の進捗状況が悪くなるというケースが見られます。
確定申告には締切があるので、ギリギリになって複数の顧客から資料が届くと残業の原因になりかねません。1月末までには資料収集が終えられるよう、年末から顧客に資料の送付を依頼しておきましょう。
【まとめ】残業が少ない会計事務所を探そう
残業が多い会計事務所を敬遠する方の理由はさまざまで、残業をムダに感じる方や残業に見合う収入ではないと感じる方、副業や趣味に時間を使いたいと考える方もいます。
しかし、なかにはさまざまな事情でそもそも残業ができない、という方もいるでしょう。例えば、育児や介護、または自身の体調や長距離通勤などです。
残業が少ない会計事務への就職を希望する場合には条件に合う事務所を探すと長く続けられます。また、残業時間が少なくなるよう工夫することも大切です。




