税理士の繁忙期は11月から5月!年間スケジュールを詳しく紹介

目次
税理士の仕事は日々の収支の仕分けから年末調整、確定申告、決算などさまざまな業務があります。
常に同じ仕事をすればよいというわけではなく、繁忙期と閑散期を繰り返しながら業務を進めなければなりません。
この記事では、税理士はいつ繁忙期を迎えるのか、どのような業務をおこなうのかについて解説します。
勤務先の規模ごとの業務内容や繁忙期を乗り越えるための対策についても紹介します。
税理士の繁忙期は11月から5月!忙しい理由とは

税理士の仕事は11月から5月にかけて繁忙期を迎えます。
法人の決算月は3月と9月に集中しており、その約2ヵ月後に税理士の決算の仕事が増えるため、5月と11月は決算関連の業務が増加します。
さらに法人の年末調整の業務もあります。年末調整は12月から1月に多いです。
個人事業主や不動産投資、株式投資をおこなっているクライアントからの確定申告の依頼が増えるのは2月〜3月です。
さらに法定調書の作成の依頼なども増えますし、同時に決算や年末調整などの業務も並行しておこなわなければならないため上記のように11月から5月は繁忙期となります。
税理士の年間スケジュール
税理士の業務はまず1月から3月の確定申告から始まります。
それが終わると3月から5月は決算業務です。この時期は業務が非常に多く、繁忙期です。
6月に入ると税理士の業務は一旦落ち着き、閑散期に入ります。
日々の決算や月々の決算などの業務がありますが急を要する仕事は少ないため比較的緩やかに仕事をすすめられます。
閑散期は11月ごろまで続きますが、11月からは徐々に決算の仕事が増え、再び繁忙期に入ります。
このように税理士の仕事は繁忙期と閑散期の差が大きいですが、ある程度予測できるのでその分スケジュールの調整がしやすい、メリハリをつけやすいというメリットがあります。
繁忙期は業務に集中し、閑散期にスキルアップ、キャリアアップ、転職を考えるなど、時間を有効的に使いましょう。
規模別!税理士の働き方の違い
税理士の仕事は勤務する事務所の規模によっても違います。
大手、中堅、零細と、それぞれの税理士の働き方を見てみましょう。
大手税理士法人での働き方
従業員が100人以上の大手税理士事務所では、国際税務や個人所得税など、それぞれに特化した部門を設置しています。
専門的な業務を数多くこなすので、一つの部門に対して専門性を高めたい、スキルアップしたいという方におすすめの働き方です。
大手の税理士事務所は福利厚生が手厚く高収入を期待できますが、その分激務になりやすいです。
仕事の量そのものが多いので繁忙期は残業が続き、自分のペースが崩れてしまう可能性もあります。
中堅税理士法人での働き方
税理士法が改正されたことにより、会計事務所から税理士法人化する事務所が増えています。
従業員が40名程度の場合、中堅税理士法人と考えることが多いです。
そのため中堅規模の税理士法人の数は非常に多く、就職、転職を目指す際にも中堅規模であれば多くの求人を見つけられます。
中堅規模の税理士では税務の業務以外にもコンサルティング業務をおこなっているところが多いです。
大手ほど安定して仕事を得続けられるわけではありませんが、その分さまざまな新しい事業にチャレンジできる、新しい取引先を見つけやすいといったメリットがあります。
零細税理士事務所での働き方
従業員が5人以下の零細税理士事務所は、会計事務所全体の中でも非常に数が多いです。
所長のほかには数人の従業員しかおらず、またバリバリ働けるというわけでもありません。
所長が取引先を見つけ、大半の業務を済ませてしまいます。
そのため零細事務所では所長のサポート的な業務をこなすことになります。
仕事量が安定せず、収入も低いため、あまりメリットのない働き方です。
一方で経営を間近で見られるため、独立開業を目指している方にはおすすめだったり、仕事量が少ないので家事や育児、介護などと並行して仕事を続けやすいといったメリットがあります。
繁忙期の業務負担を軽減するための対策
税理士の業務は繁忙期と閑散期の繰り返しです。
繁忙期だから忙しいのは仕方ないと諦めるのではなく、業務をスムーズにこなす方法を考えることが大切です。
繁忙期の負担を軽減することで、繁忙期であっても余裕を持って仕事ができる、ケアレスミスを防ぐ、ゆとりのある生活を送れるなどのメリットがあります。
業務内容の無駄を見つける
まずは閑散期の内に業務内容をしっかり見直しましょう。
入力、計算、書類作成などの業務を一つひとつ書き出していくことで、無駄な業務、より効率化できる業務を発見できます。
人によって業務の進め方が違う、必要以上に多くの人数を割いているといった業務があればすぐに見直してください。
一人が見直すのではなく事務所全体で業務フローを見直し効率化を目指すことで、繁忙期の無駄な負担を軽減できます。
早めにスケジュールを組む
繁忙期中の仕事は一つが遅れるとその後の業務にも大きく影響します。
業務が遅れたからといって書類作成、提出の期限が延期されるわけではなく、場合によっては残業続きになってしまうこともあります。
繁忙期に必要以上の残業をしない、ストレスを感じないためには、早めにスケジュールを作成しておくことをおすすめします。
年末調整は〇日まで、確定申告は〇日までなど閑散期の内にある程度のスケジュールを組んでおけばそのとおりに進めやすいです。
スケジュールは一人で決めるのではなく、従業員全員で検討・共有しましょう。
それぞれの進捗状況が一目でわかるようにしておけば、手が空いた人がサポートをしたり、業務の問題点に気づきやすくなったりします。
ITツールを導入する
会計ソフトは日々進化しており、計算や書類作成などの税理士の負担を大幅に軽減してくれます。
ITツールを導入していない税理士事務所は少ないですが、その計算ソフトやツールがふさわしいものなのかを考えなおしてみましょう。
本来なら必要のない入力作業がある、二度手間になる作業がある、使用頻度が低く従業員の負担軽減につながらないなどのケースもあります。
より業務を効率化できるのはどんな機能なのかを改めて考えてITツールを見直すだけでも、繁忙期における従業員の負担軽減に役立ちます。
【まとめ】税理士の繁忙期について理解して負担軽減の対策をとろう
税理士の繁忙期は、年末調整や確定申告、決算などが重なる11月から5月です。
約半年のサイクルで繁忙期と閑散期は繰り返されますが、ある程度スケジュールを組みやすい、先を見通しやすいというのが税理士の仕事のメリットです。
閑散期にはただ仕事をこなすだけではなく、自身のスキルアップやキャリアアップのためにできることを考えたり、次の繁忙期に向けての準備を進めましょう。
税理士事務所の規模によって業務内容や繁忙期の忙しさは違いますので、キャリアアップのための転職を考えている方は業務内容などもよくチェックしたうえで自分の求める働き方ができるかどうかを検討してください。





