会計事務所の仕事の年収相場や給料アップのポイントを解説

会計のスキルはさまざまな企業にとって役立ちます。
中には会計事務所を利用している企業も多く、会計事務所は一定の需要があります。
自身の会計スキルを活かして会計事務所に就職、転職したいと考えた際、給料は大きな基準の一つです。
会計事務所の平均年収はどれくらいなのか、会計事務所の給料が低いのはなぜなのか、さらに給料アップのポイントを解説します。

会計事務所の年収相場は？

求人ボックスに掲載されている求人情報から算出した会計事務所の平均年収は473万円です。
これは日本の平均年収よりも高い金額ですが、会計事務所の年収はスキルや年齢、地域によっても大きな違いがあります。
どの会計事務所に勤めても高収入が期待できるというわけではありません。
むしろ20代や無資格者、個人の会計事務所などはかなり年収が低く、初任給は20万円以下、時給に換算して1500円程度となっていることも多いです。
東京都などの関東地方の会計事務所の年収がもっとも高く、その他の地域では100万円以上の年収の差があることも珍しくありません。
会計の仕事は専門的な知識が必要で、少しのミスも許されない仕事でもあります。また、繁忙期と閑散期の差が大きく、繁忙期は残業が必須になることもあります。
給料だけを見ると高収入に見えても、ハードな仕事の割りに給料が見合っていないと「会計事務所の仕事の給料は低い」と感じてしまいます。

会計事務所の給料が低い理由を解説

会計事務所の給料が低い理由をチェックしてみましょう。
給料が低い理由を把握することで、給料アップのためにできることも見えてきます。

年収が低い層が多い

会計事務所の平均年収はけして低いわけではありませんが、多くの方が平均年収以下の給料で働いています。
平均年収ではなく会計事務所の年収のボリュームゾーンをチェックしてみると平均年収を下回る層がかなり多いことがわかります。
資格がないと正規雇用も難しいことが多く、さらに個人事務所の場合は正規雇用でも給料が低いです。
会計スキルに役立つ国家資格を取得している、個人事務所を立ち上げている、都心部で大規模な会計事務所に勤めているといった一部の方が平均年収を高めているということも理解しておきましょう。

非正規雇用が多い

会計事務所は正社員募集ではなく非正規での求人が非常に多いです。
派遣会社を通してだったり、アルバイトや契約社員だったりという求人が多いことに気づくでしょう。
非正規雇用はどうしても収入が低くなりやすいです。勤務時間が短い、賞与がない、働き続けても昇格しないという理由があります。
非正規雇用は社会復帰を目指す産後、育児中の方や試験、資格勉強がある学生などには働きやすいですが、会計スキルを活かして仕事にしたいと考えてい る方にとっては理想通りの求人を見つけるのが難しいです。
会計に求められる専門的な知識やスキルと、派遣やアルバイトの時給を比較すると釣り合わないと感じるケースも多いです。

資格の有無で収入が大きく変わる

会計事務所の給料は資格を所持しているかどうかで大きく変わります。
とくに取得が難しい税理士や公認会計士などの資格を持っているかどうかは大きなポイントです。
国家資格を持ってないと正規雇用されない、そもそも求人に応募できないといった会計事務所も少なくありません。
一方で会計業務は会計ソフトがあれば資格がなくても簡単に覚えられる仕事でもあります。
そのため国家資格を取得していない方でも募集している会計事務所も多く、その分低い給料で働く ことになってしまいます。このような会計事務所の場合は国家資格を取得しても給料が上がりにくいです。
給料アップを目指すなら、資格やスキルに応じて給料がアップするシステムの整った会計事務所を選ぶことも大切です。

会計事務所で年収を上げるための方法3つ

会計事務所で働きたい、会計事務所での年収をアップさせたいという方が取るべき年収アップの方法を3つ紹介します。
今後も長く会計のスキルを活かして働き続けたいのであれば、長い目で見て安心して働ける会計事務所を選ぶことやスキルを磨き続けることが大切です。

国家資格を取得する

会計事務所の仕事の年収をアップする方法としてまず考えたいのが国家資格の取得です。
税理士や公認会計士などの国家資格を取得することで会計事務所での年収が上がりやすく、またより条件のいい会計事務所への転職も可能になります。
その他、ファイナンシャルプランナーの資格や社会保険労務士の資格などもおすすめです。
会計事務所によっては特別な国家資格があっても年収に影響しないこともありますので、転職の際は業務内容や資格手当てなどをきちんと確認しておきましょう。
資格が多ければ会計事務所からだけでなく顧客からの信頼も高くなります。キャリアを積んで独立する際にも役立ちますので、資格は積極的に取得しましょう。

転職してキャリアアップ

会計事務所は個人経営の小規模なところから、多くの大企業と取り引きをする大規模なところまでさまざまな種類があります。
個人の会計事務所は給料が低く、国家資格を取得しても評価されにくいところも多いです。
今のままではキャリアアップできないと感じたら、転職を考えることも大切です。
規模の大きい会計事務所へ転職すれば給料がアップする可能性も高く、カバーしなければならない仕事も増えることで会計のスキルを磨いていけます。
待遇がよく福利厚生も整っている会計事務所への転職はライバルも多く、スキルや実績がなければ難しいかもしれません。
常に求人情報をチェックし、自分とマッチする会計事務所を見つけましょう。

福利厚生や昇格制度が明確な事務所に勤める

個人の会計事務所は福利厚生が整っていないところが多いです。休日や残業時間の管理、さらに給料の管理などに不満を感じている方も多いです。
また、昇格の基準も明確ではない個人の会計事務所もあります。身内で経営している会計事務所などはとくに注意が必要です。
このような会計事務所に勤めていると、スキルを磨いても資格を取得しても給料アップは期待できません。
転職については先ほども解説しましたが、転職先を探す際はネームバリューや給料だけでなく福利厚生や評価制度が整っているかどうかもチェックしましょう。
公正にスキルや実績、資格を評価してくれるのはやはり規模の大きな会計事務所が多いです。転職は大変かもしれませんが、今後のキャリアアップを考えると避けては通れない道でもあります。

【まとめ】会計事務所で働きながら年収アップを考えよう

会計事務所の仕事の平均年収や、会計事務所の年収が低いと言われる理由について解説しました。
会計事務所の年収は勤めている会計事務所の規模や地域、資格の有無、年齢などによって大きく変動します。
一見高収入に見えても仕事量が多い、ミスが許されない、専門的な知識が必要など、特殊な仕事でもあります。
会計の仕事が好き、会計の資格を活かして働きたいという方は、今後も長く働き続けるためにキャリアアップ、年収アップの方法を考えなければなりません。
資格を取得する、スキルを磨く、条件のいい会計事務所に転職するといった方法で給料アップ、そして自分自身のスキルアップを目指しましょう。