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経理職の人材動向!AIの台頭はあれどまだまだ人手は必要

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経理職の人材動向!AIの台頭はあれどまだまだ人手は必要

オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授が発表した論文 によれば、「今後10 ~20年後には、アメリカの総雇用者のうち約47%の仕事が自動化される可能性が高い」とされています。
「無くなる」と言われる職種のなかには、経理職(薄記、会計、監査の事務員)も含まれていました。
AIによって今後、仕事や雇用に大きな変化が訪れると予測できます。

一方で、近年の人材動向を見ていると、上記とは逆の現象も見られます。増加する求人倍率に比べて求職者の数は減少。
多くの企業において、経理職の人手不足が叫ばれているとも言えるでしょう。
そこで今回は、経理職の人材動向やAIによる影響などについて考えていきます。

経理職の有効求人倍率は上昇中?

厚生労働省が発表しているデータによれば、2009年度から2016年度にかけて経理職(会計事務の職業)の有効求人倍率は上昇傾向にあります。

有効求職者数の推移を見ていくと、2010年度からは減少傾向にあり、2009年度には596,136人にまで増加していた有効求職者の数が、2016年度には341,652人まで減少しました。
一方、有効求人数を見ると、会計事務の職業に限定すると、2013年度から2016年度にかけて緩やかな増加傾向であるのに対し、「職業計」では2009年度以降大きく増加しています。
このことから、今後も全体の求人数の増加に伴い、経理職の求人数も増加することが見込まれます。

有効求人数が増加しているのに対し、有効求職者数が減少しているのは、現場の人手不足感を示すデータのひとつと言えるでしょう。
AI時代に突入し、経理職が求められなくなると言われてはいるものの、現時点で多くの企業は“人”の経理職を探しているのです。

AIが経理職に取って代われない理由とは?

AI
では実際に、AIが経理職に置き換えられる未来が本当に来るのかを考えてみましょう。
確かに、経理職は数字処理が主な業務となりますから、AIにとって得意分野であることに間違いはありません。
しかし、業務フローと照らし合わせると、必ずしも人が不要になるとは言い切れないようです。

たとえば経費精算の承認作業。ここでは経費の正当性が上長によってチェックされるのが一般的です。
しかし、AIにそれを判断できるかというと疑問が残ります。経理部が定めたルールがあったとしても同じことです。
現場の判断や考え方とルールにズレがあるというケースは少なくありません。
会社としてどちらを正しいとするかは、総合的な判断の下で行われます。

また、不正な経費申請を見抜くには、申請者の“悪意”を理解する必要もあります。
ただしこれは、一定の行動パターンとして表面化するものではありません。
申請者の思考までを踏まえ推測しなくては、人の感情までは理解できないでしょう。

このように、AIは数字処理の分野では大きな強みを発揮できる反面、人と人との感情などが複雑に絡み合う場面では力を失います。
結果として、やはり人の力が必要となるのです。

経理職の給料相場は高い?

AI時代が到来したとしても需要が見込める経理職。
人手不足の現状で、給与相場は他職種に比べていかほどなのでしょうか?
大手派遣求人サイトに掲載されている「一般事務職」と「経理職」のデータを基に見ていきましょう。

まずは一般事務職から。もっとも多いのは1,600円で38%です。次に多いのが1,500円となり、28%でした。
次に経理職も見ていきましょう。もっとも多いのは一般事務職と同じで1,600円。ポイントも38%と同様でした。
一方、次に多いのは1,700円の27%です(一般事務職のポイントは15%)。

このことからも分かるとおり、経理職は一般事務職よりも高給であると言えます。
専門知識や経験を問われる点が、時給にも反映された結果と考えられるでしょう。
また、前述した「需要<供給」という構図により、市場での価値が高まっていることも原因と言えます。

優秀な経理担当者を採用する工夫

どの企業であれ、優秀な経理担当者でなくては会社の大事な帳簿は任せられません。
とは言え、売り手市場とも言える状況で採用を進めるのは決して簡単ではないでしょう。
そこで考えたいのが採用上の工夫です。

第一に考えたいのは求人ページの内容です。
仕事内容や条件があいまいなままでは、転職の際にリスクを感じさせてしまいます。
具体的な業務に加え、数字なども交えた条件、他社と比較した際の強みなどを記載し、アピールを行います。

第二は受け入れ体制です。労働環境の良し悪しは定着率にも関わります。
従業員が少ないストレスでのびのびと働ける職場をつくることも、採用には大きな影響があります。

最後に自社とのマッチングです。経理担当者は優秀であればあるほど高給を求めるもの。
しかし、すべての会社にとってそのスキルが最適であるとは言い切れません。
トゥーマッチな能力を持つ人材よりも、自社にとって必要十分な知識と経験を持つ人材を雇い入れることを念頭に置きましょう。

なお、どうしても経理担当者の採用がうまくいかないのであれば、派遣会社の利用もおすすめです。
限定的な業務であればこの手法のほうが人材確保も早く、必要なリソースを補填できます。
需要過多な時代だからこそ、こうしたサービスの活用が問題解決につながるでしょう。

まとめ

AIが台頭したとしても、経理職の需要がなくなることはありません。
むしろ、より優秀なスタッフの確保こそが課題になるとも考えられます。
採用方法の見直しや派遣会社の活用などを行い、自社に必要な人材を集めましょう。

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